年下の彼は…

決して許されない恋でした…

最後のKISS

 

 

 それからというもの、タロウは時間を見つけてはメールで私と語り合った

 

 

 ほぼ、家に居るとき以外…

 

 

 タロウは、私と離れることを惜しんでいた。でもこのままではいけないことも、その文字から受け取ることが出来た

 

 この職場から、タロウから離れると決断したのはこの私。

 

 でも、やはり離れたくはなかった

 

 ただ、タロウの姿を見る度複雑な感情が全身巡りに巡って溢れ出しそうだ

 

 

 やっぱり、私には無理なんだろうな…

 

 

 数日前からメールで、カウントダウンを始めるハナコ

 

 

 一日終わる度に悲しみ、そして前を向いて歩いて行かなければとの決意を交互に引き出しながら、とにかく出来るだけ自分の気持ちをタロウにぶつけた

 

 

 私の勤務最終日、タロウのシフトは夕勤(18:00~02:00)だった

 

 

 刻一刻と時間は経過していく…

 

 

 もうすぐタロウとも、この職場とも、よくしてくれた職場の皆ともお別れだ…

 

 

 まだ随分早いのに、タロウが出勤してきた

 

 

 少しでも長くハナコと居たい…そんな彼の気持ちが手に取るように分かった

 

 

 

 幸い?仕事は全体的に忙しくしていて、私は残業を申し出た、あっさりO.K.してくれた

 

 

 定時りなり、丁度1年、頑張った仕事が終了!日勤で帰る社員に別れを告げた

 

 

 それから残業を黙々とこなし、社員であるタロウに作業が終わったことを報告した

 

 

 私達は特に示し合わせたわけでもないが、二人自然にあの場所へ足を運んだ

 

 

 二人、こっそりと、ひっそりと愛を確かめ合った秘密の場所…

 

 

 最後の時間…

 

 

 私とタロウは抱きしめ合った

 

 

 目の前にタロウが居る、でももうすぐ居なくなるんだ…  

 

やっぱり諦めきれない私は、タロウに言った

 

 「もう、会えないの…?」

 

 そしたら、タロウは何も言わず、コクリと頷いた

 

 私は更に「じゃぁ、メールも…?」

 

 タロウは同じく頷いた

 

 

 そうか…もう、本当にこれで終わりなんだな…

 

 

 どれくらいの時間が流れただろう、もう、帰らなければ…タロウを職場に戻さなければ

 

 私は最後にこう言った

 

 「タロウ、今までありがとうね」

 

 笑顔で言うつもりだったが、どんどん涙が溢れた

 

 周りには殆ど人が居ないことと、機械音が私を包んでくれた

 

 私は、 タロウの胸の中で大声を出して泣いた

 

 止まらなかった

 

 涙と鼻水で私の顔はもう見られたものではなくなった

 

 そんな自分の顔を想像したら、少し笑えた

 

 涙と鼻水でグチャグチャな顔で、少し笑いながら

 

 「ごめんね、こんなになるまで泣いちゃって…」

 

 と言うと、タロウはすぐ私に背を向けた

 

 目や鼻を拭っているようだった

 

 

 タロウも、泣いていた

 

 

 なんか、少し救われたようだった

 

 

 下手すると私は単純に遊ばれていただけだったのかもしれない、ただのオモチャだったのかもしれない…

 

 それが案外そうでもなかったのかな

 

 ハナコ悲しみは、タロウの悲しみでもあったんだ

 

 

 時間がないのと、そんな、鼻をすするタロウを最後に見られて本当に良かったと思った

 

 

 帰りたくなんかないと思っていたハナコも、これで新たな一歩を踏み出す決心が出来た

 

 が、最後の最後に私はタロウに言った

 

 「タロウ、お願いがあるの。もうこれで最後だから…最後に…キスして…」

 

 

 タロウはハナコにキスをした

 

 

 とっても優しいキスだった

 

 

 ハ 「ありがとう。じゃぁ元気で、頑張ってね!」そう言い、今度は私がタロウに背を向け、一年間お世話になった職場を後にした

 

 

 

 

 

 

 それから数日後、あの職場で一緒に働いたメンバーは解散し、全員が他県へ転勤になると知らされた

 

 同じ日本だが、もう会うことはないだろう…そんな距離だった

 

 逆に、遠くに行ってくれることで諦めがつく。

 

 

 

 ここで、ハナコは考える

 

 

 もし、神様が私達を引き合わせ、そして引き離すのだとしたら、一体神様は何を言いたかったんだろう…?私達に、何を学ばせたかったのだろう…?

 

 ハナコにとってタロウとの恋は、本当にドラマのようなものだった、不思議だった

 

 夢の中で起こっている、現実のものじゃなかったのかも…

 

 いや、紛れもない事実なんだ。

 

 

 

 現実に起こったタロウとハナコの決して許されない恋は、こうして幕を下ろした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった…

 

 

 

 

 

  

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