年下の彼は…

決して許されない恋でした…

猶予

 

 

 あまりに突然の事で、また、その衝撃はハナコの何もかもを壊しそうで。

 

 

 

 とても不安定だった…

 

 

 

 熱が冷めたわけでもない、嫌いになったわけでもない…

 

 

 

 ただ、辛かった、苦しかった…

 

 

 これから、二児のパパとなったタロウは、周りに祝福される

 

 

 私も当然その輪になって「おめでとう」を言わなきゃいけない…

 

 

 子供の写真を見て笑顔で「可愛い!」と…はしゃがなきゃいけない…?

 

 

 そんなの、絶対に無理だ…

 

 

 タロウの顔を見ただけで大号泣してしまいそうな精神状態の私には、もうこの職場で働くことは出来ないと思った。

 

 

 太田君から知らされた数時間後の事。

 

 

 

 タロウと一文字でも言葉を交わすだけでも苦しむことになると感じた

 

 

 

 

 だからハナコはこの職場から、タロウの前から去る

 

 

 

 

 

 幸い、今日は金曜日。土日は休みでしばらくタロウに会わなくて済む…

 

 

 

 ハ 「ホントは、私にメールする暇なんかないのよね、なのに…ありがとう… 

 もうしなくていいよ。 

 まだメールしてくれるだけ私は愛されてるって思っていい? 

 タロウには奥さんと子供がいる… 遊びじゃなかったのなら…それでも飛んで来てほしかったな… 

 最後の悪あがき…(^_^)

 色々、わがまま言ったり嫌な思いさせたり…ほんとごめんなさい…

 私はタロウが大好き!感謝の気持ちでいっぱいなのに…なんであんな意地悪なことしか言えないんだろうね…

 じゃぁ、月曜日、会社に辞めさせてもらうように申し出るから。これでおしまいね(^_-)-☆」

 

 

 

 

 猶予はあった

 

 

 タロウから「辞めないで欲しい」とでももらえたら。

 

 

 いや、私はその言葉を待った

 

 

 

 

 

 でも一文字も来なかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 月曜日、退職を申し出て、受理された。

 

 

 

 

 

 

 

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