触れる唇
彼は何度も私を抱きしめようとするも、逃げるの繰り返し
端から見たら楽しそうにイチャイチャしてるカップルにしか見えなかっただろう(笑)
そうこうしてるうちに彼にガッチリ押さえられてしまった
「用事がないなら早く出ましょう、誰が入ってくるかも分からないんだから」
「誰も入ってこないよ、キスしたら出られるよ」
なんと!
そんな大胆なことを今の若い子は言うの…?
「やめて下さいよそんな冗談、それに、キスなんかして、私がタロウさんのこと好きになったらどうするんですかぁ?」
「いいよ、俺はもうとっくに好きなんだから」
「またまたぁ。やっぱりダメです!タロウさんには奥さんと子供が居るんです、たとえ私の事が好きだったとしても、それは一時の気の迷いですから。タロウさんは、好きになってはいけない人なんです!」
「キスしないと出さない、するよ?」
一瞬だった
彼の唇が、私の唇にそっと触れた
私はハッとして彼を見つめた
時間にして5秒も無かったと思う、私の中に眠っていた色んな感情が一気に溢れ出そうとしていた
そして
彼はもう一度
激しく求めるような
攻撃的なキスをした
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