年下の彼は…

決して許されない恋でした…

無題



 黙々と仕事に没頭するハナコの元へ




 太田君がやって来た




 太田君はニコニコしながら




 ハナコに話しかける





 太 「タロウさん、子供が産まれるんですよ! 2人目。凄くないですか? 今日出産予定日なんですよ(^_^)」



 

 …




 ……



 ………

 







 あぁぁぁ…




 





 そんなことって…



 






 私って一体……








 その場で泣き崩れたかった





 何とか踏ん張って立っていたトランプタワーが


 ふっと息を吹きかけられ、簡単に崩れた…


 



 頭が真っ白になったと同時に真っ暗闇…



 目を開けているのに



 何も見えない…




 



 暗い暗い谷底に突き落とされたみたい





 その姿は、ドラマやアニメのワンシーンのように


 スローモーションで落ちてゆく…






 ハナコの頭の中でめぐる想いはほんの数秒

 



 大きな大きな爆弾を投下した太田君にはまるで悪気などない。





 これは、太田君にとっても、ハナコにとっても、職場にとっても、その幸福感を味わうべきとってもおめでたいこと。

 

 

 

 

 

 立ってなどいられないほど身体の力が抜けていくような感覚…


 


 私は、もう最後の力を振り絞った

 



 表情筋をググッと上に持ち上げ

 



 「ほんとぉ!? 凄い! めでたいねぇ!(*⌒▽⌒*)☆ 何か、お祝いしてあげないとね!」



 

 

 


 そう言葉を発するのが精一杯だった



 

 



 目を手元に移し作業を始めた瞬間

 



 涙が一杯に溢れた

 



 この涙をこぼさないように

 

 



 頬を伝わせないように

 



 必死で堪えた





 


 幸い、機械音で鼻をすする音は誰にも聞こえない







 お願い。それくらいはさせて…



 

 

 

 

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